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療法選択外来

療法選択外来とは

腎臓の機能が高度に低下し、老廃物や塩分、水分などの排泄が障害され健康状態を維持できなくなった場合、腎臓の機能を代行する治療法(腎代替療法と言います)が必要になります。腎臓移植、血液透析、腹膜透析の3種類があります。
選択療法外来では、患者様やご家族様にとって最良の治療法が選択できるようにご支援させていただきます。

受診の流れ

  来 館 「アンケート記入」
「腎代替療法」についての説明や患者様のアンケートから得られた価値観、生活スタイル、仕事や趣味などの情報を踏まえ、私たち医療者が患者様にとって最もふさわしい「腎代替療法」は何か、患者様やご家族様と一緒に話し合いながら考えていきたいと思います。
家族構成、今不安なこと、一番大切にしたいこと、今後やりたいことなどのアンケートを記入していただきます

  半30分 「医師より説明」
・日高病院の3つの「腎代替療法」の最近の実績
・我が国における腎臓移植や慢性透析療法の最新の成績
・それぞれの「腎代替療法」の長所、短所、合併症など
・治療費や公的支援について

・血液透析器を用いた「血液透析」の説明
・透析バッグを用いた「腹膜透析」の説明


  後半30分 「看護師より説明」
・アンケートの内容をより詳細にお聞きします
・腎臓の働き、腎機能が低下した時の症状を中心に説明
・実際に使用している接続機器を用いて腹膜透析バッグ交換を一緒に体験

  診療終了
最後に「3つの腎代替療法」について記載された小冊子をお渡しさせていただきます。ご自宅での確認にご利用ください。

「腎不全 治療選択とその実際」
「腎不全とその治療」

診療時間

療法選択外来 診療時間


14:30

15:30


※他院より受診される方は 各曜日15:30枠のみとなります
※担当医師は外来案内ページの「外来担当医師一覧」をご覧ください

受診のご案内

対象

対象:日高病院および平成日高クリニックに通院中の慢性腎臓病(CKD)患者様

・患者様のご家族様の参加も大歓迎です
・他院からの受診も可能です

受診回数について

最大2回まで受診可能です

日高病院 療法選択外来 受診者数


2015年
2016年
2017年
2018年
2019年
2020年
患者数
16名
9名
16名
22名
31名
50名

他院から受診される患者様へ

日高病院では他院からのリクエストを考慮し、院外の患者様の受診も行っております。

●受診時間について
 月・木曜日の15:30枠のみとなります(完全予約制)

●かかりつけ医の紹介状を必ずご持参ください
 その際、紹介状には下記の項目の記載をお願いします
① 紹介目的に「療法選択外来 希望」と明記
② CKD患者であること
③ CKDの原疾患
④ 3か月前までの直近2回のeGFR(いずれも30未満であること)

3つの腎代替療法

血液透析

血液透析とは、機能の低下した腎臓に代わり機械を使って血液をろ過する透析方法です。

腹膜透析

腹膜透析とは、お腹の中の臓器を覆う膜である“腹膜”を、毒素や余分な水分を取り除くフィルターとして使う透析の方法です。
お腹に特殊なチューブ(カテーテル)を埋め込み、透析用の液体をお腹の中へ送りこみます。腹膜(フィルター)を通して毒素や余分な水分が透析液に移動ます。汚れた液を交換すれば、体の中の毒を外に出せる仕組みです。これを繰り返すことで体内の浄化を行います。

腎臓移植


悪くなった腎臓の機能をドナーから頂いた健康な腎臓で補う治療法です。

現在では末期腎不全唯一の根治的治療法であり、血液透析や腹膜透析の2倍近い延命効果が得られます。

毎日免疫抑制剤を内服する必要がありますが、健康な人と同様の生活が期待できます。

「血液透析」と「腹膜透析」の違い

「血液透析」「腹膜透析」の違いについて


本来、腎臓は24時間 365日休まず体をきれいにしてくれます。
血液透析では2~3日に1回、体内に溜まった毒素をまとめて抜きます。そのため体に負担がかかりやすく、透析後の疲労感や血圧低下、不整脈等が起きやすいという問題点があります。
一方、腹膜透析は毎日自宅で行うことができ、本来の腎臓の働きに近い形で透析を行うことができるため、安定した体調で過ごせることが期待できます。

ただし、腹膜透析は自分の体に頼った透析ですので、毒素や余分な水の除去量はその都度異なります。血液透析では機械で透析の仕方を設定するので、毒素や水の除去量はある程度コントロールが可能です。

腹膜透析は自身の生体膜を使用するため、年月とともに劣化が起きます。これまでは8年程度が腹膜透析の限界とされてきました。現在は透析液の質が改善され、さらに長期間実施可能となることが期待されます。ですが、必ず劣化は起こるため、いずれは血液透析への切り替え、もしくは移植術を受ける必要があります。また、ご自分で管の管理を行いますので、衛生環境には注意が必要です。


「血液透析」と「腹膜透析」の比較


血液透析
腹膜透析
通院頻度
1週間に3回
通院手段:
・自力での通院(自家用車・公共機関等)
・医療機関での送迎サービス(対応可能範囲は医療機関ごとに異なる)
1か月に1~2回
透析頻度
1週間に3回
毎日 パックの交換頻度は1~4回
拘束時間
透析を受けている間
1回4時間(準備等を含め6時間前後)
透析液交換時 1回30分程度
「APD」の場合は就寝中(6~8時間)
機材の管理
病院スタッフが機材の管理を行う
患者様ご自身やご家族が機材の管理を行う
代表的な合併症
血管トラブル(感染・閉塞 )
透析困難症(血圧以上・倦怠感)など
感染症(出口部感染・腹膜炎)
被嚢性腹膜硬化症 など
継続可能年数
上限なし
高齢化などで透析継続困難となり離脱する可能性あり
~10年
残された腎臓の機能に応じて早期離脱が必要な場合もあり
食事
・透析日が2~3日に1度なので、体重や毒素が増え過ぎないように注意が必要
・1日の水分摂取量を700~1000ml程度に制限する場合がある
・カリウム等の摂取量を制限する場合がある
・連日体内の浄化を行えるので、血液透析に比べ毎日の水分制限やカリウム制限は緩やか
入浴
透析日は入浴を避ける
出口部にパウチを張り付けて入浴可能
運動
絶対的な制限はなし(個々に応じて相談)
旅行
国内
可能
・2カ月前までには主治医へ相談
・自身で旅行先周辺の透析施設の検索を行い、主治医へ紹介状を依頼する
費用:原則負担なし
可能
・2カ月前までには主治医へ相談
・製薬会社を通じて宿泊先へ透析液を配送する手配を行う
・必要な機材があれば持参する
費用:配送料を負担
海外
可能
・2~5か月前までに主治医に相談
・旅行先の透析施設を探す
・旅行先施設は約2~3か月前に手配が必要(インターネットなどを利用し個人で探すか、旅行代理店や海外透析予約代行専門業者などを使って探す)
費用:旅行先の地域によって差があり、原則「健康保険」は適用されない
例)アジアの場合で1回あたり2~5万円、アメリカでは4~5万円、オーストラリアは9万円程度
可能
・2~5か月前までに主治医に相談
・製薬会社を通じて旅行先の国へ手配を行う(対応可能な地域が限られる場合あり)
費用:旅行先の地域によって差があり、原則「健康保険」は適用されない
例)3泊4日 1万円前後、1週間 3万円前後
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