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腫瘍センター/放射線療法
トモセラピー・ラディザクト
TomoTherapy Radixact
トモセラピー・ラディザクト治療実績
累計治療実績(2024年3月)
3,499
副作用が少なく精度の高い放射線治療 -
 放射線によるがん治療
放射線治療とは
がん細胞は正常の細胞と比べ、放射線によるダメージに弱く修復されにくい性質があります。放射線治療ではこの性質を利用して、体の外から放射線を照射し治療します。放射線治療は、がんの根治や症状の緩和など、さまざまな目的で行われます。また、患者さんそれぞれのがんの状況にあわせて治療を行うことが可能です。毎回の治療では痛みを感じることもありません。体に優しい治療なので、高齢な方であっても放射線治療は可能です。
放射線治療の種類
根治的照射…がんを死滅(根治)させることを目的とした治療
術後照射…手術の後の再発を予防する目的でおこなう治療
術前照射…手術前にがんを縮小させることを目的としておこなう治療
緩和的照射…痛みやしびれ、出血などを和らげる目的でおこなう治療 (詳細はこちら
 トモセラピー・ラディザクト(TomoTherapy Radixact)
トモセラピーとは
トモセラピーは、高精度放射線治療のひとつである強度変調放射線治療(IMRT)を行うために開発された治療装置です。ドーナツ状のガントリー内で小型のリニアック(放射線照射装置)が360度回転し、同時に寝台がゆっくりとスライド移動することで、トモセラピーに特徴的な「らせん(ヘリカル)照射」が行われます。
ビームの照射口では、マルチリーフコリメータと呼ばれる部分が高速開閉し、ビームの形状や線量強度を細かく変化させます。これらの複雑な照射は、放射線腫瘍医と医学物理士によって作成された「放射線治療計画」に基づいて、コンピュータ制御で行われます。このトモセラピーの照射技術によって、いびつな形状の病巣であっても、隣接する正常組織を避けて、病巣の形に合わせた集中的な照射を行うことが可能です。寝台が移動しながら連続照射するため、複数の病巣や広い治療範囲であっても一度に治療することが出来ます。

また、毎回治療直前に、トモセラピーに搭載されたCTを用いて位置照合、画像誘導放射線治療(IGRT)を行います。「放射線治療計画」と毎回の照射の誤差を最小限にし、ミリ単位の高精度治療を可能にします。病巣に精度良く高線量を照射することで高い治療効果が期待でき、正常組織の照射線量を低減することで、副作用の少ない治療を行うことが出来ます。
ラディザクトで、より負担の少ない治療が可能に
当院が新たに導入した最新型のトモセラピー・ラディザクトは、最先端の技術が複数搭載され、より体に優しい放射線治療を行える治療装置となっています。ラディザクトでは、従来のトモセラピーの特徴である「らせん(ヘリカル)照射」に加え、「ダイレクト(固定多門)照射」も可能です。ダイレクト照射により、胸部疾患(乳がん、食道がん、肺がんなど)へのより安全な照射が可能となりました。
最適な照射法を選択することで、全身のほとんどの固形がんに対応することが出来ます。また、以前のトモセラピーでは一定だった照射ビームの幅を、コンピューター制御でダイナミックに変化させることで、不要な照射部分をさらにカットすることが可能となりました。技術の進歩に伴い、以前のトモセラピーと比較して、準備期間や治療時間の大幅な短縮が可能となり、高精度な治療をより少ない負担で行えるようになっています。
トモセラピー・ラディザクトの特長
副作用の少ない精度の高い治療
  • 毎回治療直前にCTを用いた位置照合でミリ単位の高精度治療
  • いびつな形状でも、周囲の正常組織を避けながら病巣の形に合わせた集中的な照射
  • 複数の病巣や広い治療範囲も一度に治療
  • 高い治療効果が期待でき、副作用も少ない
  • ヘリカル照射とダイレクト照射による最適な照射法で、全身のあらゆる固形がんに対応
日常生活を送りながら治療ができる
  • 副作用が少なく、生活の質を保ったまま治療がおこなえる
  • 外来での通院治療が可能
  • 日常生活の制約も少なく、仕事を行いながら治療が可能
保険診療の適用
  • 公的医療保険での治療
  • 高額療養費制度の適応
 トモセラピー・ラディザクト 治療例
ラディザクトによる放射線照射例
 情報サイト記事のご案内
トモセラピー治療について詳しくご紹介
がんの情報サイト「がん治療新時代WEB」に当院のトモセラピーについての記事が掲載されています。
緩和的放射線治療
 症状を和らげる放射線治療
緩和的放射線治療とは
「緩和的放射線治療」とは、痛みなどの苦痛を伴う、がんによる様々な症状を和らげるために行う放射線治療です。痛みや不安が軽減されることで、患者様のQOL(生活の質)を向上させる大きな役割を果たしています。
緩和照射で改善が期待できる症状
疼痛の緩和
有痛性骨転移、神経や軟部組織への腫瘍浸潤
出血の止血
血尿、下血、血痰など
狭窄・閉塞の緩和
腸管、気管、尿管、血管などの狭窄や閉塞
浮腫の改善
脳転移、皮下や筋の転移など
救急症状
脊髄圧迫、上大静脈症候群など
神経障害の緩和
麻痺やしびれ、脳転移による頭痛や嘔吐


 腫瘍センター その他の放射線治療
脳の腫瘍における放射線治療


放射線治療のサポート体制
安心して治療に専念していただくためのサポート 
放射線治療の流れ
 治療の流れ
放射線治療の開始から治療後の経過観察まで
 治療スケジュール
放射線治療のスケジュール
 1週間に5日(回)照射して、2日(回)休む
 (例)30回の照射:5日(回)×6週間
曜 日
治 療
治療 / 診察(週1回)
治 療
治 療
治 療
治 療
休み (精度管理)
休み
受診のご案内
 受診の流れ
診察までの流れ
トモセラピー・ラディザクトによる放射線治療を希望される場合、患者さんには「放射線科外来」を受診していただきます。「放射線科外来」は紹介予約制となっておりますので、受診には主治医の紹介状が必要となります。
1.受診予約・お問い合わせ
紹介元医療機関の先生または受診を希望される患者様ご本人より、「腫瘍センター」にお問い合わせください。

お問い合わせ先
お問合せ先
 日高病院 腫瘍センター
 
 027-362-6201
受付時間
 8時30分~17時30分
2.外来受診日を決定
日程を調整の上、外来受診日を決めます。
受診時には、主治医の先生の紹介状が必要となります。また、画像診断や検査結果などのデータがある場合は併せてご持参ください。

受診時にお持ちいただくもの
  • 診療情報提供書(紹介状)
  • 検査結果や画像データ
  • 健康保険証
  • 各種証明書(お持ちの方)
  • 当院受診歴のある方は診察券
3.外来受診
お持ちいただいた紹介状や検査結果などの資料をもとに、放射線治療医が放射線による治療が適切かどうかを判断いたします。放射線治療が可能な場合は、今後の治療方針などを検討していきます。
医療機関の方へ
当センターでは、放射線治療をご希望の患者様のご紹介、放射線治療適応についてのご相談をお受けしております。ご紹介・ご相談につきましてはお電話にてお気軽にお問い合わせください。
スタッフ紹介
 治療スタッフのご紹介
トモセラピー・ラディザクトの治療においては、放射線腫瘍医、放射線物理学を専門とする医学物理スタッフ、診療放射線技師をはじめ、高いスキルと専門知識を持ったスタッフが一丸となり、安全で質の高い放射線治療を提供しています。
治療中は、医師や看護師を中心に、身体的・精神的サポートをおこない、患者様が安心して治療が行えるよう心がけております。
研修認定施設など
 研修施設認定など
  • 日本放射線腫瘍学会認定施設
  • 放射線科専門医修練機関
  • 日本ハイパーサーミア学会認定施設
  • JROSG参加施設
治療実績
 患者数・照射件数の推移と原発巣
原発巣
2018年
2019年
2020年
2021年
2022年
2023年
前立腺
97
130
122
110
96
110
乳腺
24
41
39
29
11
25
肺・縦隔
24
19
14
18
12
15
食道
4
6
7
5
3
4
肝・胆・膵
5
8
4
4
0
0
直腸
14
15
19
8
13
11
消化器
8
23
16
15
21
16
頭頚部(甲状腺含む)
7
9
2
6
0
2
皮膚・骨軟部
11
7
17
9
7
3
造血器
1
4
3
2
1
4
婦人科
1
2
0
0
1
0
泌尿器(前立腺以外)
14
9
7
6
5
3
脳(原発)
0
0
4
0
5
5
良性
2
0
0
1
1
1
その他
4
2
10
6
4
1
合計
216
275
264
219
180
200
第三者機関による出力線量測定の実施
 治療用照射装置出力線量の第三者機関による測定実施
当院では第三者機関による評価として、公益財団法人医用原子力技術研究振興財団が実施する測定評価を受けています。
よくある質問
トモセラピーの治療の対象になるのはどのような病気ですか?
放射線治療中に痛みはありますか?
トモセラピーによる放射線治療は何回くらいおこないますか?
トモセラピーの費用はどのくらいかかりますか?
通院での治療は可能ですか?