心臓ペースメーカー
心臓ペースメーカーは、脈が病的に遅くなる徐脈の治療に用いられます。徐脈の主な原因は、興奮信号を発する機能が悪くなる洞不全症候群と、電気の伝導が悪くなる伝導障害に分けられます。このような徐脈に対する最も有効な方法は、ペースメーカー植え込み術です。
手術の方法
通常、歯医者さんと同じ局所麻酔で行います。このため手術中、意識は普通にあります。多くは利き手の反対側で鎖骨の下方に「皮下ポケット」を作り、ここにペースメーカーの本体を収納します。ペースメーカーのリード(導線)は鎖骨の奥にある鎖骨下静脈を通して、レントゲンでみながら心臓の右心房、または右心室へ挿入し固定します。手術時間は1~3時間です。肩よりも上に腕を上げるバンザイのような姿勢は、1~2か月間は控えましょう。リードが移動し、心臓の筋肉から抜けてしまいます。
合併症
出血、感染、気胸、心タンポナーデ(心臓周囲への出血)、リードの移動などがあります。ペースメーカーは異物の為、感染に弱く、傷の感染には十分注意しなければなりません。