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循環器内科
 心臓血管病の診断方法
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非侵襲的検査
12誘導心電図

最も一般的な心電図で、手足に取り付ける誘導4本と、胸に取り付ける誘導6本からなり、計12種の波形が記録されます。不整脈、心筋障害(心筋梗塞、心筋炎、狭心症)心房、心室の肥大、電解質異常などが判ります。
負荷心電図

通常、心電図は安静横臥位で記録するため、酸素消費が少なく、冠動脈硬化があっても異常がでません。心臓に負荷をかけて日常生活の中でみられる胸痛や息切れなどを再現し、その時の心電図変化から心臓の虚血状態を調べます。運動で心臓に負担がかかると、心臓に血液が十分にいかない状態が起こり、不整脈などの心電図に変化がでます。
ホルター心電図

通常、心電図は安静横臥位で記録するため、酸素消費が少なく、冠動脈硬化があっても異常がでません。心臓に負荷をかけて日常生活の中でみられる胸痛や息切れなどを再現し、その時の心電図変化から心臓の虚血状態を調べます。運動で心臓に負担がかかると、心臓に血液が十分にいかない状態が起こり、不整脈などの心電図に変化がでます。

1.不整脈の診断、治療効果判定
2.狭心症の診断、無痛性心筋虚血発作の診断

<注意>
1) 24時間の記録です。2日間の検査と考えて下さい。 ※検査中は入浴できません。
2) 胸に貼付されたシール電極やコードには触れないでください。
血管脈波検査 (ABI・PWV)

動脈硬化を客観的に評価することのできる非侵襲的な検査です。
ABI(足関節/上腕血圧比)とは足関節収縮期血圧/上腕収縮期血圧のことです。この比が0.9以下の時は、下肢の動脈に狭窄または閉塞が疑われます。
PWV(脈波伝播速度)は心臓から押し出された血液により生じた拍動が心臓を通じて手や足に届くまでの速度です。健常者は血管がしなやかであり、ゴムチューブのように弾力性があるため、拍動(脈波)が血管で吸収されてスピード(PWV)が遅くなります。これに対し、動脈硬化の起こっている血管は、血管壁が硬くなっているために拍動が血管壁で吸収されず、スピード(PWV)が速くなります。
心臓超音波検査

心エコーとも呼ばれます。胸部(心臓付近)にゼリーを塗り、超音波を出すプローブというものを胸にあてて、心臓の大きさや構造、動きなどを観察します。心筋梗塞、心臓弁膜症、収縮機能障害型の心不全、各種の心筋症、心内膜炎、心外膜炎、心タンポナーデ、心臓腫瘍、先天性心疾患の一部、肺高血圧症の診断が可能です。放射線を使用する検査と異なり、人体に対する悪影響はありませんので、繰り返し検査することができます。基本的に食事の制限はありません。検査には通常20~30分程度かかりますので、予約制になっています。
胸壁から一番奥の左心房を観察する場合は、経食道心エコーを用います。これは胃カメラと同じ要領で、口から食道へプローブを挿入します。食道の真前に左心房が位置しているため、左心房、左心耳や僧帽弁の観察に適しています。
血管エコー

頸動脈狭窄症、末梢動脈閉塞性疾患、腹部大動脈瘤、深部静脈血栓症などの疾患の診断に有用です。また、血管造影検査では得られない血管壁の情報や血流情報が得られます。
心臓CT検査
つい最近まで冠動脈の描出には侵襲的でリスクを伴う心臓カテーテル検査が不可欠でした。心臓CTを心臓カテーテル検査と直接比較できるものではありませんが、このCTでは血管の狭窄程度を評価できるだけでなく、冠動脈壁に沈着したプラークまで描出することが可能です。また心室の容積測定も可能です。 骨、肺、軟部組織を抜き出すことで、医師が複雑な心臓の構造を理解しやすくなりました。今では心臓外科医が術前のプランニングの際、すこぶる有益な手段です。

【利点】
冠動脈疾患のリスクが低~中等度の方の除外診断に利用できる最も良い方法と言えます。この検査が陰性であれば、ほぼ100%冠動脈疾患を除外できます。負荷心電図の代わりに用いることもできます。スクリーニングとしての利用には議論があるところです。
腫瘍や血栓など心臓内外の異常を評価できます。
冠動脈バイパス術後や冠動脈ステント後の開存を評価できます。しかし金属によるアーチファクトの為、細いステントの狭窄や金属クリップ近くのバイパスの評価には不向きです。
左室壁運動や大動脈の弁を調べることが可能です。 冠動脈の心筋内走行などの異常を検出できます。

【欠点(限界)】
心拍数が速い方、不整脈では評価が難しい。50~60台の心拍数が理想的です。
造影剤の使用やβ遮断剤の使用:医師の監視下で行えば、これらの影響はごくわずかです。
高度石灰化や細い血管では狭窄度の定量化が不可能です。
金属を植え込んだ後ではステントやバイパスグラフトの狭窄やプラークを描出できません。
心臓カテーテルによる冠動脈造影より狭窄度が大きくなることことがあります。
心臓MRI

欧米では、心筋のviabilityを評価したり、冠動脈の血流の灌流状態を評価するために用いられています。わが国では保険適応になっておりません。
侵襲的検査
心臓カテーテル検査

カテーテルと呼ばれる細いチューブを足のつけ根や腕から血管に入れ、心臓までもっていき、心臓内の各部屋や血管を造影剤を使って撮影したり、心臓内の部屋の圧を測る検査です。心臓カテーテル室では次の検査を行っています。

冠動脈造影検査
冠動脈血管内超音波検査(IVUS)
左室造影検査
右心カテーテル検査(心臓内圧の測定、心拍出量測定)
血管内超音波法(IVUS)

小型化した超音波走査子をカテーテルの先端に取り付けたもの。血管内面から冠動脈血管壁の解剖を観察できます。主にカテーテル治療(冠動脈内ステント植え込み)の際に用いられます。心臓発作の原因である脆弱なプラークの量を評価でき、冠動脈内の狭窄度もわかります。プラークの組織性状評価とデバイス選択に重要な装置と言えます。